「十夜に心配かけんなよ」
「うん。努力する」
「今更だけど、喧嘩禁止令は解禁な」
「プッ。ほんと今更だね」
「お前が勝手に解禁したんだろ」
「えへ。そうでした」
「ったく、ほどほどにしろよ?」
「了解なり!」
「お前のほどほど程信用出来ねぇもんはねぇな」
「ちょ、何気に酷くない?」
「ないない。あ、それと、一週間に一回……いや、三日に一回、やっぱり二日に一回、メールか電話してくること!」
「え、二日に一回!?多すぎない?」
「多くねぇだろ。これでもかなり譲歩してんだぞ。ほんとなら毎日でも──」
「分かったよ!二日に一回するから!」
「あー、駄目だ。寂しくなってきた!」
「貴兄、苦しい!死ぬ!」
「……お前等、どこぞのカップルか」
抱き締めあったまま会話していたあたしと貴兄に煌の鋭いツッコミがお見舞いされる。
出来たらもう少し早くツッコんで欲しかったんですけど!カッコイイ獅鷹総長から溺愛兄貴に変身する前に。
「貴音、それ以上引っ付いてたらウチの総長の機嫌が悪くなるんだけど」
「……それも計算の内だっつったら?」
「ハッ。お前も大概だな」
にやりとほくそ笑む二人に凛音ちゃん脱力。
意気投合するのは勝手だけど、あたしを巻き込まないで下さい。


