「お前は俺達みたいな総長にならなくていいんだよ」
「……どういう意味?」
「お前らしい総長でいいんだ」
「あたし、らしい?」
「あぁ。アイツ等もそれを望んでる」
貴兄の視線の先に居るのは、ごちゃ混ぜになったメンバー達で。いつの間にかプロレスごっこにまで発展していたメンバー達は、一瞬乱闘してるんじゃないかと疑うぐらいはっちゃけていた。
「凛音ちゃーん!」
「総長ー!」
あたし達の視線に気付いた数人の男の子達が、腕が千切れるんじゃないかってぐらい大きく手を振ってくれる。
それに気付いた周囲にいた子達も同じ様に振ってくれて、それが何だか無性に嬉しかった。
「あの笑顔がお前が護るべきものだ」
「……うん」
総長を引き受けた以上、あたしは何が何でもあの笑顔を守らなければいけない。
「絶対に護ってみせるよ」
それが総長の務めだと思ってるから。


