「凛音」
「貴兄!」
冬吾くん達と入れ替わりにやってきたのは貴兄で、その隣には副総長である慧くんと優音もいた。
他の幹部達はメンバー達とワイワイお喋りしていて、何故かその周りを嵐ちゃんが男二人担いで走り回っている。
「ったく仕方ねぇな、アイツは」
「まぁ、嵐ちゃんらしくていいんじゃない?」
嵐ちゃんに振り回されているメンバー達が可哀相だけど、なんだかんだで楽しそうだから良いと思う。
「──お前も、お前らしい総長になればいいんだからな」
「え?」
「さっき言ってただろ。十夜や俺みたいな総長にはなれないって」
「……うん」
総長をやるって決めた今でもそう思ってる。
あたしは十夜や貴兄みたいに尊敬される総長にはなれないだろうって。
けど、
「二人みたいに尊敬される総長になりたい」
そうなれるように精一杯努力はするつもりだ。


