現総長が認めなければ……って言うことは、十夜が認めたってこと?
直ぐ隣に居た十夜を見上げれば、十夜は既にあたしを見下ろしていて、その瞳はどこが不安げに揺れていた。
それを見て、漸く十夜の様子が変だった理由が分かった気がした。
──“絶対に護ってやる”
さっきのあの言葉は、あたしの不安を払拭する為の言葉だったんだね。
絶対に護ってやるから、やりたかったらやれ。
十夜はそう言いたかったんだ。
「十夜……」
「お前はどうしたい?」
「あたし、は……」
繋いでいる手に力が入る。
「……正直、自分は総長の器じゃないと思ってる。馬鹿だし、喧嘩っ早いし、皆に迷惑ばかりかけてるし。十夜みたいな……貴兄みたいな尊敬される総長にはきっとなれない」
「そんな事!」
「でも!」
「っ」
「それでも、皆が良いって言ってくれるのなら、やってみたいと思う」
覚悟も定まらないままこんな事を口にしたらいけないって事は分かってる。
けど、あたしを見つめる皆の瞳が───皆の言葉が凄く温かかったから。心に響いたから。
皆の為に何かしたいって、心からそう思ったから。
だから、
「鳳皇の総長、やってみる」
総長をやってみようと思う。
あたしだって、皆を護りたい。


