泣きすぎて会話にならないから、「落ち着いたらまた下りてくるね」と皆に言って、二階へと向かう。
リビングに入るなり煌に「ブッサイクな顔。顔洗ってこい」と言われたから、
「ブサイクは余計でしょ」とブツブツ文句を言いながら洗面所へ。
洗うのは顔だけにして、リビングへと戻る。
本当は海に落ちたからお風呂に入りたいけど、皆が待ってるから今は我慢。
因みに、服はメンバーの子が用意してくれて病院で着替えた。
夏だから直ぐに乾くけど、流石に潮臭いから。服だけでも着替えとかないと。
「凛音ちゃん」
ドアを開けようと思ったらちょうど壱さんに呼びかけられて、どうしたんだろうとそっとドアを開ける。
すると、直ぐ目の前に壱さんが立っていて。
「あれ?どこか行くの?」
その後ろでは玄関で靴を履いている陽と煌と彼方の姿が見えた。
今帰ってきたばかりなのにまたどこかへ行くの?
「どこかっていうか、冬吾達に呼ばれたからちょっと下にね」
「冬吾くんに?」
何かあったのかな?
「その間、お風呂入ってて。冷えてるだろうからお湯溜めてね?」
「わ、いいの?嬉しい!」
「凛音ちゃんのあとに十夜も入ると思うから。あ、なんなら一緒に──」
「わーわーわー!!」
突然何言い出すのこの人は!!
笑顔でさらりと爆弾を投下する壱くんに慌てて声を上げて両腕を振る。
い、今の十夜に聞かれなかったよね!?
ちらりと十夜の様子を窺うけど、こっちに背を向けているから聞こえたかどうかは分からない。


