「──後悔すんじゃねぇぞ」
「……っ」
小さく放たれたその言葉にビクンと心臓が飛び跳ねた。
なんで……
直ぐに駄目だって叫びたいのに、口から洩れるのは微かな吐息だけで全然カタチになってくれない。
駄目だ。
駄目だよ。
絶対に駄目。
そんな状態で喧嘩なんてしたら今度こそ立ち上がれなくなってしまう。
そんなの嫌だ。
絶対に嫌。
早く止めなきゃ……!!
十夜が壊れてしまう前に。
早く………早く!!
「ハッ!その言葉そのまま返してやるよ!」
「……っ、や……、やめて……っ!!」
何が何でも止めてやるんだから!
「凛音!!」
「……ッ、チッ。離せやクソ女!!」
「……う、っ、」
まだ痺れが残る両手で歩き出そうとしたシンの右足を思いっきり掴む。
「離せっつってんだろうが!!」
そんなあたしをどうにかして振り払おうとするシン。
蹴られたかと思えば勢いよく引かれて。
それを何度も何度も繰り返される。
「っ、ぅ……っ、」
足が前後に揺れる度身体が悲鳴を上げたけど、そんなものもうどうでも良かった。
蹴ろうが踏もうが好きにすればいい。
こんな痛みで十夜が護れるならいくらでも受けてやる。
「う、っ……、」
これで十夜が護れるのなら──
「チッ!うぜぇんだよクソ女!!」
「凛音……っ!!」


