絶望的だとでもいうようなその声色に、とうとうシンの足が止まった。
痛みを堪えながら顔を上げれば、ちょうど車から降りようとしている鳳皇幹部達の姿が見えて、その周りには取り囲むようにバイクが停車していた。
次々にバイクを降りるメンバー達。
けれど、決して幹部の前には出ようとせず、後方でこちらの様子を窺っている。
それをチャンスだと勘違いしたらしいシンが、我先にと地面を蹴った。
それを合図に一斉に走り出した鳳皇メンバー達。
「……クソッ!クソがぁぁぁぁぁ!!」
ここまで追い詰められたのは初めてなのだろう。
走りながらのくせに、空気が震える程の咆哮を放つシンはどこから見ても敗者にしか見えない。
「……クソッ。まだ終わらせねぇ。終わらせてたまるか!!」
何度も何度も放たれる“敗北宣言”に、何とも言えない苦い感情が胸の奥から湧き上がってくる。
あたしもシンの立場だったら同じように悔しさを声に出して叫んでいたかもしれない。
けど、それは正々堂々と勝負した人に言えることで、人質を取るような卑怯な真似をするヤツに言う資格なんてない。
トップが欲しいのなら、正々堂々と勝負を挑むべきだ。
「シン!いい加減諦めて!!もう──」
「まだだ。まだ──」
「シン!!」


