Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


その声を聞いた瞬間、沈んでいた気持ちが一瞬で晴れた気がした。


「……っ、みんなっ……!」


縋るような思いで顔を上げると、一台の車と数十台のバイクがこっちへと向かって来ていて、それが十夜達だと分かった途端、嬉し涙が頬を伝った。



「行くぞ!」

「やだっ!!十夜……っ!みんなっ!!」

「うるせぇ!黙ってろ!!」



バシッと力任せに頬を殴られて、口内に鉄の味が広がる。


けど、殴られた事なんかどうでも良かった。


直ぐそこに十夜が居る。

それだけで痛みなんて感じない。



「っ、十夜……とおやぁぁぁぁ!!」

「黙ってろって言ってんだろうが!!」

「っ、……ぅ、」



走りながら器用にあたしを殴りにくるシンを見て思った。

きっとシンの脳裏には、“敗北”の二文字がくっきりと浮かんでいるのだろう。


それでも屈する事を拒んでいるのは、トップへの執着がまだ残っているから。



哀れだと思った。
トップなんてそんなものただの“肩書き”でしかないのに。


けど、それはあたしの考えであって、シンからすれば重要な事なんだろう。


だから窮地に追い込まれても諦めようとはしないんだ。


けど、



「シン、もう……、」



諦めないといけない時は必ず来る。