「シン、それ以上は──」
「うるせぇ!!」
頭に血が上っているシンにはもう、仲間であるカイの言葉すら届いていない。
一言発するたび強くなっていく力に何とかしなきゃと思うけど、いざ反撃するとなると色々考えてしまって。
反撃したとしてもロックされてて外には出られないだろうし、もし出られたとしても直ぐ近くには味方がいない。
鳳皇と獅鷹があたし達を追い掛けて来てくれてるだろうけど、それまでに逃げ延びられる保証なんてないし……。
状況が状況なだけに、どうしても悪い方へと結び付けてしまう。
「行くぞ」
「……え?」
唐突にそう言われて、理解出来なかった。
行くぞってどういう──
「……っ、シン!お前まさか、車を降りるのかよ!?」
えっ!?車を降りる!?この状況で!?
カイが驚くのも無理はないと思った。
だって、車を降りるって事はどうぞ捕まえて下さいと言ってるようなものだから。
正気を失ってるとは思ってたけど、まさかここまでなんて……。
でもまぁ、外に出た方があたし的には嬉しいから、どうぞ降りて下さいって感じだけど。
「どっかに身を潜める。キョウに連絡して迎えに来させろ」
「そんなこと──」
「あぁ"?」
「……分かったよ」
今のシンに何を言っても無駄だと悟ったのか、カイはドアを開けながらスマホを操作し始めた。


