Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


「……っ、」


シンの命令通り、脇道へと急転回した車。

乱暴な運転のせいで前のめりに倒れそうになったけど、シンが髪の毛を掴んでいるお陰でどうにか倒れるのだけは免れた。

けど、代わりに加減なしで引っ張られた頭皮が悲鳴を上げる。



「シン!こっちにも……っ、」


一息つく暇もなく吐かれたその言葉に少しだけ安堵したけど、次にシンの口から放たれた「曲がれ!!」という言葉にまた落胆した。


一体どれだけ髪の毛を引っ張られなきゃいけないんだろう。


……とか一瞬思ったけど、幸いな事にスタンガンによる痺れが和らいできて、これならいつでも反撃出来そうだと思った。


けど、状況が状況なだけに安易に行動出来ない。


なんせ、車内という密室に閉じ込められている訳で。反撃したとしても倍になって返ってくる可能性の方が高い。


しかも、この荒々しい運転では思う様に反撃出来なさそうだし。


どうしたものか………


なんて呑気に構えてると、


「シン!行き止まりだ!!」


ラッキーな事にチャンスが舞い込んできた。

これでこの変な体勢からも解放されるし、頭皮も傷付かなくて済む。


そう思っていたけど、


「ウッ"」


まさか、更に引っ張られるなんて思ってもいなかった。



「どいつもこいつもムカツクんだよ!!」

「っ、」


あたしの耳元で思いきり叫ぶシン。

膝で立ってるからさっきよりも楽だけど、その代わり頭皮へのダメージが大きい。