「……っ、」
シンの命令通り、脇道へと急転回した車。
乱暴な運転のせいで前のめりに倒れそうになったけど、シンが髪の毛を掴んでいるお陰でどうにか倒れるのだけは免れた。
けど、代わりに加減なしで引っ張られた頭皮が悲鳴を上げる。
「シン!こっちにも……っ、」
一息つく暇もなく吐かれたその言葉に少しだけ安堵したけど、次にシンの口から放たれた「曲がれ!!」という言葉にまた落胆した。
一体どれだけ髪の毛を引っ張られなきゃいけないんだろう。
……とか一瞬思ったけど、幸いな事にスタンガンによる痺れが和らいできて、これならいつでも反撃出来そうだと思った。
けど、状況が状況なだけに安易に行動出来ない。
なんせ、車内という密室に閉じ込められている訳で。反撃したとしても倍になって返ってくる可能性の方が高い。
しかも、この荒々しい運転では思う様に反撃出来なさそうだし。
どうしたものか………
なんて呑気に構えてると、
「シン!行き止まりだ!!」
ラッキーな事にチャンスが舞い込んできた。
これでこの変な体勢からも解放されるし、頭皮も傷付かなくて済む。
そう思っていたけど、
「ウッ"」
まさか、更に引っ張られるなんて思ってもいなかった。
「どいつもこいつもムカツクんだよ!!」
「っ、」
あたしの耳元で思いきり叫ぶシン。
膝で立ってるからさっきよりも楽だけど、その代わり頭皮へのダメージが大きい。


