Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】



「……っ、離せ!!」


有り得ないスピードで進む車は、鳳皇とは反対方向へと向かっていた。


弓反りになったまま視線をリアガラスに向けると、遠くの方に見えたのは鳳皇の車と幾つかの人影。


此処からでは誰なのかはハッキリ確認出来ないけど、もしかしたら貴兄達が戻ってきたのかもしれない。


だとしたら、優音の事は心配しなくても大丈夫だ。貴兄達が保護してくれる。


そう安堵した時、


「……っ、シン!!」


助手席から切羽詰まった声が放たれた。


その声を聞いて、漸くそこに居るのがカイだと気付いた。

っていうか、今はそんな事よりも事態を把握する事が優先だ。カイの焦りようからして、Dにとって不都合な事があったに違いない。





「──クソッ。行く手を阻んでやがる」



勘は見事に的中。

シンのその言葉は、不安しかないあたしにとって救いの言葉に聞こえた。


みんな……。


行く手を阻んでいるのが誰かなのかは分からないけれど、そこに居るのが信頼してる仲間だって事は確かで。


絶対に助けてくれる。


そう思っただけで気持ちが和らいだ。




「クソがッ!!ここで止まる訳にはいかねぇんだよ!!」


脇道に逸れろ!と怒鳴り散らすシンは既に正気を失っていて。

どうやら、何が何でも突破する気らしい。