「っ、……ぅっ……、」
この痛みは、痛いなんて言葉では甘く感じる。
指先が痺れて視点が定まらず、身体が思う様に動かない。
まともに食らった優音が声を出せないのは当然だ。
「手間かけさせんじゃねぇよ」
「いっ゛!!」
どこから伸びてきたかも分からない腕に後頭部を掴まれて、乱暴に引っ張られる。
「凛音!!」
さっきよりもハッキリと聞こえた優音の声に、もう痺れがなくなったのかなと、安堵したのも束の間、
「ゆ……」
ブチブチと髪の毛が引き千切られる音がして、身体が前のめりに倒れた。
コイツ……!!
膝に当たる柔らかい感触に車に乗せられたのだと分かったけど、それが分かった所で既に手遅れだという事は理解していて。
「ッッ」
悔しさに下唇を噛み締める。
「早く出せ!!」
直ぐ真後ろで聞こえたドアを閉める音がしたかと思えば、車内一杯に木霊したシンの怒声。
すぐ真後ろに居ると知って殺意が芽生えたけど、その殺意もシンの手によって一瞬で消え去ってしまう。
「い……ッ!」
四んばになっていたあたしの後頭部を鷲掴みにし、思いっきり引っ張り上げたシン。
弓反りになった身体が悲鳴を上げるけど、スタンガンの余韻が残った身体では抵抗する事も出来なくて、ただただ悔しさだけが募っていく。


