Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


「っ、……ぅっ……、」


この痛みは、痛いなんて言葉では甘く感じる。


指先が痺れて視点が定まらず、身体が思う様に動かない。


まともに食らった優音が声を出せないのは当然だ。


「手間かけさせんじゃねぇよ」

「いっ゛!!」


どこから伸びてきたかも分からない腕に後頭部を掴まれて、乱暴に引っ張られる。


「凛音!!」


さっきよりもハッキリと聞こえた優音の声に、もう痺れがなくなったのかなと、安堵したのも束の間、


「ゆ……」


ブチブチと髪の毛が引き千切られる音がして、身体が前のめりに倒れた。


コイツ……!!


膝に当たる柔らかい感触に車に乗せられたのだと分かったけど、それが分かった所で既に手遅れだという事は理解していて。


「ッッ」


悔しさに下唇を噛み締める。



「早く出せ!!」


直ぐ真後ろで聞こえたドアを閉める音がしたかと思えば、車内一杯に木霊したシンの怒声。


すぐ真後ろに居ると知って殺意が芽生えたけど、その殺意もシンの手によって一瞬で消え去ってしまう。


「い……ッ!」


四んばになっていたあたしの後頭部を鷲掴みにし、思いっきり引っ張り上げたシン。

弓反りになった身体が悲鳴を上げるけど、スタンガンの余韻が残った身体では抵抗する事も出来なくて、ただただ悔しさだけが募っていく。