「──遊大。……遊大!!」
確信を持ったのか、
それとも持てないまま呼んだのか。
どちらかは分からないけれど、優音が遊大に向かって叫んだ。
「クソッ!」
けど、さっきと変わらず遊大からの返答はない。
「気絶してるみてぇだな」
ピクリとも動かないところを見るとどうやら気絶しているようだ。
「取り敢えず行ってみるぞ!」
「うん!!」
走り出した優音に続いてあたしも走り出す。
「……っ」
けど、それは足を一歩踏み出した所で止まってしまった。──否、止められてしまった。
「───行かさねぇよ」
背後から聞こえたのは、背筋が凍るほど冷めきった声。
あ、と思った時には既に遅く、気付いた時には左手首を握られていた。
「っ」
眉を顰める程強い力に片目を瞑る。
冷たい声色に、容赦ない力。
それだけで敵だと確信したあたしは、腕を引き寄せられる前に身体を回転させ、身を屈めて男の胸元に体当たりした。
「っぅ、」
目と鼻の先で聞こえた男の息を呑む声にハッキリとした手ごたえを感じて、その勢いのまま掴まれた腕を大きく振り回す。


