Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


「あの人達を誰だと思ってんだよ。獅鷹幹部だぞ」

「いやいや、優音も幹部じゃない」

「俺なんかあの人達のお飾りみたいなモンだよ」

「なーに言ってんの、次期総長が」

「なっ!?何言ってんだよ馬鹿凛音!」

「も~、照れちゃって優音くんってば」

「イテッ」


にやけ顔でバシンと背中を叩けば、お返しと言わんばかりに頬っぺたを引っ張られて。


「痛いー!」


今の状況を完全に忘れているあたし達。


安心してたんだと思う。

獅鷹に助けて貰ったから。


遊大は攫われてしまったけど、“あたし”という人質がいなくなった以上獅鷹が負ける訳がないと、そう高を括っていた。


──だけど、そう簡単にいかないものだと直後に思い知らされる事になる。






「ん?」


車に乗ろうとした時、背後でドサッと何か荷物の様な物が落ちる音がして立ち止まった。

先に車に乗り込もうとしていた優音もその音に気付いたみたいで、不格好な体勢のまま肩越しに振り返る。


「っ」


──息を呑んだのはほぼ同時。

目に飛び込んできた有り得ない光景に、あたしと優音は目を見開いて固まった。


「……ゆう、だい?」

「………」

「え……遊大?あれって遊大?だよね?」


確信が持てなくて、優音と遊大であろう人を交互に見ながら問いかけた。
けど、優音は目を細めたまま何も応えてくれない。


きっと、優音もあたしと同じで“アレ”が遊大だとは信じられないのだろう。


遊大は奴等に攫われた。


確かにそう聞いた。


だから、こんな所にいる筈がない。