「貴兄……」
「……ったく、心配ばっかりさせるなよ」
目の前で膝を折った貴兄が、珍しくあたしの乱暴に頭を撫で回した。
けど、そんなものどうでも良くなるぐらいあたしを見つめる瞳が優しくて、
「貴兄、ごめんなさいぃ~」
我慢してた感情が一気に溢れ出した。
「馬鹿。謝るのは俺の方だよ。ごめんな、凛音。本当にごめん」
「うぅ~」
うわーんと子供のような泣き声を上げながら、思いっきり貴兄に飛びつく。そして、胸に額を埋めて何度も何度も首を左右に振った。
違うよ。悪いのはあたしの方だ。
心配すると分かっていたのに、自ら危険な選択をした。
謝らないといけないのはあたしの方だよ。
「オイ、のんびり感動の再会してる場合じゃねぇぞ。早く馬鹿凛音を連れてかねぇと下の奴等がやられる」
「っ」
そうだ。
こんな所で泣いてる場合じゃない。
シンが来る前に立ち去らなきゃ!
「そうだな。──凛音、歩けるか?」
「うん!」
あたしを抱き締めたまま立ち上がった貴兄が、そっとその場に下ろしてくれる。
よし、行こうと皆と目で合図し合った時、それを引き止めるかの様に右手が繋がれた。
「ゆう、と?」
振り向けば、そこには泣きそうな顔をした優音がいて、目が合った瞬間、痛いぐらい強く手を握り締められた。


