Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


「十夜が女の子だって気付いたのはリンくんと喧嘩してる時だったみたい。リンくんの胸元を掴んだ時、その……胸に触れたって」


「えっ!?」


胸に触れた!?


「うそっ」


え、あの時、コルセットしてなかったっけ?

男装の時はいつもしてる筈なんだけど……。


……あ、もしかして、獅鷹に行くだけだからって着てなかったとか?

それは有り得る。

今の時期コルセット着ると暑いから、外出歩く時以外は着てなかったような……。


「有り得ない……」


っていうか、それって着てなくても男だって思われてたって事だよね。


そりゃ着てても着てなくても分からないぐらいの貧乳だけどさ。誰か気付いてくれてもいいと思う。


「あ、触れたって言ってもちょっとだけだと思うよ!?すぐに吹っ飛ばされたって言ってたから!」


「遥香さん……」


それ、全然フォローになってないです……。

寧ろ、十夜を吹っ飛ばしてしまったって事の方がグサリときます。


「えっと、話戻すね」

「あ、はい、すみません」


どうやら余計に気を使わせてしまったらしい。

すみません、遥香さん。


「……最初はなんで怪我させられた子って思ったけどね、十夜にはそんな事関係なかったみたい」


「……え?」


それってどういう……。


「乗り込んできた男が女だって知って興味を持ったって言ってた。仲間を想う強い心に惹かれたって」


仲間を想う強い心……。

そのせいで十夜を傷付けたのにそんな風に思ってくれたの?