Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】



それから十夜は、鳳皇側が今どういう状況なのかを説明してくれた。


あたしと遥香さんが攫われた事を知ったのは、鳳皇メンバーからの連絡ではなく、遥香さんの運転手さんが十夜に連絡してくれたから。


遥香さんの事だ。

自分の置かれている立場や状況を事前に運転手さんに説明してたのだろう。


十夜と付き合っていた時も色々あったみたいだし、こういう状況に陥った時の対処法は心得てるんだと思う。



「あたし達はどうすればいいの?」



鳳皇幹部は今、待機していた獅鷹幹部と一緒にこちらへ向かっているらしく、このまま何事もなく行けば、あと十分ほどで到着するとのこと。


流石のDもそんなに早く来るとは思ってないだろうし、奴等が帰ってくる前に十夜達と合流出来そうだ。


あとは、十夜達が何も知らずに帰ってきたDを倒すだけ。




「此処で待ってた方がいい?」


時間に余裕があって、奴等が帰って来ないという確信があるのなら逃げた方がいいと思うけど、あと十分程で十夜達が到着するのなら無理して逃げる必要はないと思う。


もし見つかったら色々面倒な事になりそうだし。



『お前等はそこに居ろ。奴等を片付けてからそこに行く』


「……あっ!」


そうだ。十夜達にはまだDの幹部が此処に居ない事教えてないんだった。