「ハッ。そんな情報入ってきてねぇぞ」
「いや、入ってきてないだけかもしれない。中田は奴等とつるんでたんだ。俺等が知らない情報を持っていてもおかしくない」
壱の言葉に黙り込む両幹部達。
それでも納得がいかなかった。
もし中田が知らない情報を持っていたとしても、そこへ凛音を連れて行くなんてそんな危険を冒すだろうか。
「それでも凛音を連れて行くのは……」
「いや、凛音が一緒に行ったという事は凛音も承知でそこへ向かっているという事だ。
となると、繁華街について行くと言い出したのは凛音だろう。
アイツ、行くって言い出したらきかないからな。中田のことだ。凛音に言い包められたんだろ」
「……あー」
凛音が言い出したらきかない事を知っている幹部達は、はぁ、と深い溜め息を吐き出して項垂れた。
「取り敢えず行くしかねぇだろ。──冬吾」
「千暁と滉一が向かってます」
「そうか。千暁と滉一に連絡入れる。お前はここに残れ」
「分かりました」
「──壱」
「今、繁華街に集まるようメール出したよ」
煌が言うよりも早くメンバー達にメールを一斉送信した壱。
その横では慧がパソコンを開いて操作していた。
壱と同様、獅鷹メンバーにメールしているのだろう。


