Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】





『例のチームはどうなってる?』


『……昨夜、下の奴が数名襲撃されました』


『………』


『心配には及びません。その場で返り討ちにしましたので』



“白狼”の倉庫にある幹部室。


そこに“白狼”の総長、河上 尋雅(カワカミ ヒロマサ)と“鳳皇”の総長、桐谷 十夜の二人がいた。


“白狼”が“鳳皇”の傘下に堕ちてからこの日で一ヶ月余り。


十夜は“白狼”の動向を見る為、週に一度、この倉庫を訪れていた。



『返り討ち?それで?』


『何処の者か名乗らせ、解放しました』


『……何故すぐに連絡しなかった?』


『今日は来ると言ってたのでその時に報告しようかと』



チーム“白狼”。


彼等は一度、“鳳皇”に牙を剥いた者達。


その者達を従わせるには定期的に通い、“鳳皇総長”の姿を見せる必要があった。


それと同時に傘下の動向を見る。


この日もそうだった。


“白狼”の様子を窺う為、十夜は一人で“白狼”の倉庫を訪れていた。



『次からは逐一報告しろ』


『……分かりました』



だが、十夜は気付いていなかった。


従順に見えるこの男、“白狼”の総長、河上が自分を裏切ろうとしている事を。


そして。

たった今交わしてるこの会話も全て偽りだという事を。


その事に気付かなかったのは十夜が無能だったからじゃない。


十夜の洞察力を以ってしても見抜けなかったのだ。


其れ程までに河上の演技力は長けていた。



けれど、今日。


その河上の計画が無残にも崩れ落ちる事となる。


“ある人物”の登場によって。