Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


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『お釣りはいいです!』


財布から二千円取り出して、失礼だと思いながらもタクシーの運転手さんに突き出した。


タイミングよく開いたドアを内側から更に押し開け、勢いよく外に飛び出す。



BCは繁華街の東側に位置しており、大通りから一本外れた通りにある。


タクシーから降りたあたしは大通りを横切り、BCの裏通りを目指した。




『すみません!』


休日なせいもあってか大通りだけじゃなく裏通りも人が多い。


行き交う人々の間をすり抜けていくのは結構困難で、擦れ違い様に肩をぶつける事もあった。



確かこの辺がBCの裏だったような……。


人込みから逃れ、行き着いた先は裏通りから更に一本中へ入った薄暗い道。


この辺は結構複雑な造りになっていて、あたしも何となくしか知らない。


遊大はきっと、BCの通りを歩いていて誰かに裏通りへ連れて行かれたんだと思う。


一体誰が遊大をあんな目に……?



『……アレ?お前、もしかしてリン?』


『え?』


『やっぱり!お前こんな所で何してんだよ!?』


『ま、誠人(マコト)くん?直弥(ナオヤ)さんも!』


呼ばれて振り返ってみたら、なんとそこにいたのは獅鷹のメンバーで。


『なんで……』


二人が此処に?


『俺等、繁華街で遊んでてさ。そしたら総長から連絡きて。遊大の事聞いてすっ飛んで来たんだよ』


……あぁ、成る程。貴兄が言ってた下の奴等って誠人くん達の事だったんだ。