-客観的視点-


「凛音!!」

「りっちゃん!!」

「凛音ちゃん!」

「凛音!!」



次第に消えていく画面の中の凛音。


頭を抱え、地面に伏せるその姿は画面越しでも分かる程震えていた。


充との会話を一部始終見ていた鳳皇、獅鷹幹部達。


会話が進むにつれ顔面蒼白になっていくその様(サマ)は今にも崩れ落ちそうだった。



「凛音!!凛音!!」


口々に凛音の名を呼ぶ幹部達は身を乗り出し、食い入るように画面を見つめて変化を待つ。


「クソッ!!」


ただ見ている事しか出来ない歯痒さに幹部達は唇を噛み締め、拳を強く握り締めた。




『凛音!何処にいる!?』


『凛音!!返事しろっ!!』


真っ白な画面の中で飛び交う優音や遊大、そして鳳皇メンバーの叫び声。


『凛音!!』


止まる事のない叫声はただ待っているだけの幹部達に言い様のない不安を与えた。




次第に晴れていく白煙。


人影が認識出来るまで白煙が澄んだ時。



「……っなんで!!なんで凛音がいねぇんだよっ!!」



画面を見つめていた幹部達が驚愕に目を見開かせた。


──さっきまでそこにいた筈の凛音が何処にもいない。一体どういう事だ。




「凛音は!?凛音は何処へ行った!?」


「充は!?まさかアイツが……!!」


突然凛音が消え、慌てふためく幹部達。


狭い画面の中をくまなく捜すけど、何処にも見当たらない。