「知りたいか?なら教えてやるよ。お前等の求めている“答え”はあの中だ」
「あの、中……?」
シンが指差した先。
それは──
「パソコン?」
「知りたければ開けばいい。“真実”はあの中にある」
お前等にとって尤も残酷な“真実”が、な。
ボソリと零された最後の一言。
小声で発せられたその言葉は、幹部達に届く前に涼風によって掻き消されてしまった。
本当なら今すぐ扉を抉じ開けてでも部屋から脱出しなければいけない。
けれど、この時はパソコンを見なければいけないと、それこそ第六感が告げていた。
パソコンの中に何かあると、そう告げていたのだ。
「……っ、IP電話?」
案の定、パソコンの中には思いもよらぬ“モノ”があった。
それは、無料IP電話で有名なソフトウェア。
IP電話とはインターネットを接続していれば誰でも使える電話の事で、一般電話は勿論、携帯電話、パソコンでも通話が出来る代物。
しかも通話だけではなく、ビデオ通話にすれば相手の顔も見る事が出来る。
「一体、どういう事だ?」
まさかIP電話が表示されるとは微塵も思っていなかった十夜達は、画面を見つめたまま固まっていた。
『画面中央に表示されている発信ボタンを押してみろ』
一向に動こうとしない十夜達に痺れを切らしたのか、シンがそう促す。
「発信ボタン?」
画面の中央にはシンの言う通り発信ボタンと表示されており、そのボタンの上には見に覚えのない名前があった。
このボタンを押せば真実が分かる。
そう思った十夜達は互いに顔を見合わせ、小さく頷いた。


