Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


十夜と貴音を中心に横並びになった四人。


開け放たれた窓から吹き込むそよ風が四人の間をするりとすり抜け、室内に立ち込めた不穏な空気を和らいでいく。


だが、柔らかみを含んだ空気はすぐにまた新たな空気によって支配されていった。


それを発しているのはシンと対峙している四人。


周囲が騒がしいにも関わらず、四人はそれを気にも留めずにシンだけを真っ直ぐに見据えている。


シンもまた四人を真っ直ぐ見据えていた。


その口元にはさっきと変わらず小さな笑みが浮かべられていて、明らかにこの状況を愉しんでいる様に見える。


そんなシンに向かって悠然と言い放ったのは鳳皇の総長である十夜。



「──お前等、そんなに俺等と喧嘩すんのが怖ぇのかよ」


「………」


「何企んでんのか知らねぇけど、俺等を潰したいんならこんな回りくどい事してねぇで正々堂々、真っ向から来いよ」



すぐ目の前。

距離にすれば三、四メートル程の僅かな距離。


その僅かな距離が歯痒くて仕方なかった。


そんな十夜達の想いを知ってか知らずか、シンはゆるりと首を倒し、わざとらしく肩を竦めてみせる。



「あの時言っただろう?“ココ”を使えば何とでもなるって」


そう言ってシンが人差し指で指し示したのは自分の頭。


それを見た煌がカッと目を見開き、直ぐ様噛み付いた。



「テメェの言う“ソレ”は女を利用する事かよ!」