「チッ」
チヒロが凛音の元へ向かった。
それを理解するや否や十夜はポケットから携帯を取り出し、電話を掛けた。
電話の相手は勿論凛音。
聞き馴染みの呼び出し音が十夜の鼓膜を揺らし、同時に室内に妙な沈黙が訪れる。
「クソッ!」
だが、その静寂もすぐに終わりを告げた。
これ以上鳴らしても凛音は出ない。
十夜はそう悟ったのか、今度は一緒に居る充へ電話を掛けた。
一秒、二秒。
受話口から洩れる無機質なコール音がただ無情に鳴り響き、十夜達の不安を煽る。
たった数秒。然れど数秒。
十夜達にとってはそれが数十秒にも数分にも感じ、コール音が続けば続く程焦りと不安が募っていった。
『──もしもし』
その緊迫感を断ち切ったのは電話の相手、充。
『──電話待ってましたよ?桐谷サン』
……ではなく、一番聞きたくなった声。
「……っ、チヒロ、」
シンが言った事は本当だった。
もしかしたら虚言かもしれない。
自分達を追い詰める為の虚言だと。
そう思っていたのに。
──否、そう思いたかったのだ。
虚言だと思いたかった。
凛音が奴等の手に落ちていないと、無事だと、そう思いたかった。
けれど、その願いは無情にも破られ、残酷な真実が幹部達に襲い掛かる。
「……テメェ、凛音に指一本触れてみろ。どうなるか分かってんだろうな」
チヒロが凛音の元へ向かった。
それを理解するや否や十夜はポケットから携帯を取り出し、電話を掛けた。
電話の相手は勿論凛音。
聞き馴染みの呼び出し音が十夜の鼓膜を揺らし、同時に室内に妙な沈黙が訪れる。
「クソッ!」
だが、その静寂もすぐに終わりを告げた。
これ以上鳴らしても凛音は出ない。
十夜はそう悟ったのか、今度は一緒に居る充へ電話を掛けた。
一秒、二秒。
受話口から洩れる無機質なコール音がただ無情に鳴り響き、十夜達の不安を煽る。
たった数秒。然れど数秒。
十夜達にとってはそれが数十秒にも数分にも感じ、コール音が続けば続く程焦りと不安が募っていった。
『──もしもし』
その緊迫感を断ち切ったのは電話の相手、充。
『──電話待ってましたよ?桐谷サン』
……ではなく、一番聞きたくなった声。
「……っ、チヒロ、」
シンが言った事は本当だった。
もしかしたら虚言かもしれない。
自分達を追い詰める為の虚言だと。
そう思っていたのに。
──否、そう思いたかったのだ。
虚言だと思いたかった。
凛音が奴等の手に落ちていないと、無事だと、そう思いたかった。
けれど、その願いは無情にも破られ、残酷な真実が幹部達に襲い掛かる。
「……テメェ、凛音に指一本触れてみろ。どうなるか分かってんだろうな」


