-客観的視点-
『──ようこそ。終焉の場所へ』
時を遡ること数分前。
十夜達鳳皇幹部と獅鷹幹部は重厚な古びた扉を開け放ち、“D”のトップ、シンと対面していた。
「……テメェ、ふざけてんのか!!」
だが、対面と言っても直接ではなく、正確にはひび割れた窓越しに、と言った方が正しい。
更に詳しく言えば、シンは倉庫の隣にある工場の一室、十夜達が入った部屋の丁度真向かいにある部屋でその姿を曝していた。
窓際に立ち、腕を組みながら十夜達を見据えているシンは何処か愉しげで。
「どういうつもりだ!!」
煌が感情を露にさせるのは仕方無いと言えた。
「貴音、さっきの奴等、シンがこの部屋に入ったって言わなかったか?」
そんな煌とは裏腹に神妙な面持ちで貴音にそう問い掛ける十夜。
「言った。けど、それが奴等の策略だったとしたら?」
貴音もまた取り乱す事なくそう応える。
シンを見据えたまま静かに交わされる会話。
「有り得──っ、」
──それを遮ったのは、バンッ!と荒々しく閉まった扉の音だった。
「なっ!?」
突然響いた爆音に、鳳皇、獅鷹両幹部達が一斉に振り返る。
「……っ、」
閉ざされた扉が視界に飛び込んできた瞬間、今まで揺らがなかった貴音の双眸が一瞬にして動揺の色に染まった。
「……やっぱり、」
それは、疑問が確信に変わった瞬間。
自分達が嵌められたと自覚した瞬間だった。


