「凛音……」
「慎……!!」
此方へ向かって歩いてくる慎は見るからにボロボロで、その足取りは見ていられない程フラついている。
服は汚れ、自慢のセットは見る影も無い。
顔や身体の至る所に血が付着し、所々に青痣もある。
痛々しいその姿にあたしは足が震え、駆け寄る事さえ出来なかった。
なんで……なんでそんな大怪我してるの?
「へぇ~、早かったな」
「……っ、チヒロ!アンタが慎に何かしたの!?」
如何にも知ってますというその口振りに、思わず張り上がる声。
動揺が隠し切れないあたしを見て、チヒロが愉快そうに笑みを浮かべる。
「何だ、アンタ知らないのか?外で張ってたのはコイツだぜ?」
「……うそ…」
外で待機してたのが慎?
じゃあその怪我ってチヒロが慎達を襲った時に負った怪我だっていうの?
「あの大人数はお前一人じゃ倒せなかった筈だ。 お前、まさか仲間を見捨てて此処へ来たのか?」
「……っ、」
チヒロの言葉に脳が一気に凍りついた。
脳裏にさっきの言葉が蘇る。
“外に居た奴等は全滅したから”
本当に全滅、したの?
外で待機していた皆が?


