-客観的視点-
「十夜、手分けするぞ」
「あぁ」
倉庫が襲撃されているとは露ほども思ってもいない獅鷹、鳳皇両幹部達は、今の状況を把握する為各傘下達の元へと走っていた。
水皇の総長、零からの情報によれば、攻撃を受けているのは三つのチーム全て。
三つのチームというのはこの日の為に分けられたチーム編成の事で、Aチームは幹部達と一緒に工場内へ攻め込むチーム。
Bチームは工場外で戦うチーム。
Cチームは更に工場外で待機しているチーム。
各チームは鳳皇、獅鷹の半々で編成されていた。
と言っても、獅鷹よりも鳳皇の方が傘下が多い為、どのチームも鳳皇の方が多い。
「十夜、何故奴等にチームの配置がバレてるんだ?」
「分からない」
「手当たり次第ぶっ潰してんじゃねぇの?」
煌の疑問に鳳皇幹部全員が首を傾げる。
そして、陽の返答にも首を傾げた。
何故チームの配置がバレている?
陽の言う通り、手当たり次第潰そうとしているのか?
その疑問は二手に分かれた後、獅鷹でも同じ様に疑問視されていた。
だが、その答えは獅鷹でも出ないまま、両幹部達は敵と直面する事になる。
「勇介!!」


