「煌危ないだろ。頭打ったらどうするんだよ。 凛音ちゃん、大丈夫?」


「壱さん……うん、大丈夫」


煌に注意しながらヨシヨシと頭を撫でてくれる心優しい壱さんに人目も気にせずウットリ……。


あーもうホントヤバイ。壱さん優しすぎる。王子様だ王子様。一緒にいるだけで癒されるー。



「あー、そういや此処にも口煩い過保護なオヤジがいたんだっけな」


「む」


せっかくいい気分で浸っていたのに馬鹿煌が水を差しやがった。


っていうか今、壱さんに対して失礼発言しなかった?したよね?

許せん!


「ちょっと!壱さんをオヤジ扱いしないでよ!」


キッと恨みを込めて睨めば、奴はウンザリ、とでも言いたげに耳を塞いであたしと壱さんに冷ややかな視線を送ってきた。


そんな煌にまたムカッとくる。


「オヤジとか意味分かんないし!どこからどう見ても爽やかな王子様でしょうが!」


敵意剥き出しでそう吠えれば、「あー分かった分かった」と面倒臭そうに軽くあしらわれ。


それに対してまた言い返すと「じゃあ行ってくるわ」と言って足早に逃げられた。


「ちょっとー!」


何なのアイツ!ちょっとは壱さんを見習え!

ホント壱さんの爪の垢でも飲ませてやりたいよ!