「すごい……」


その創立記念パーティーとやらはそのホテルの最上階で行われていた。


大きな窓から見える景色は、すべてのものが小さく見えた。


そして、何より会場も広ければ想像していたよりもたくさんの人がいた。


そこには議員でテレビで見かけたことあるような有名人もいて、益々私と住んでいる世界が違って尻込みする。


「楓くん、こんにちは。大きくなったね」


いきなり恰幅のいい男性が横にいる桐谷に話しかけてきた。


「財前社長、お久しぶりです」


桐谷は丁寧に頭を下げて挨拶をした。


いつもチャラチャラして、やんちゃな暴君のイメージしかない桐谷のこんな真面目な姿初めてみたんだけど。