学校の姿を捉えようとした時だった。


ニャー


どこからか猫の声がした。


私は急ぎ足だったのを止め、辺りをキョロキョロと見回す。


すると。


「あ!」


そこにいたのは紛れもなく昨日私が見たまだら模様の茶色の子猫。


後ろの右足は相変わらずびっこを引いている。


まだ痛いのかな?


すると子猫は走り出し、路地の奥へと入っていく。


それは私を誘導するかのようで。


わたしも自然とその子猫の行く先を追ってしまっていた。


どんどん進んでいく。


高校生にもなって何やってるんだろう、私は。


それでもどうしてかその行く先が気になってしまう。


なぜだろう。


しばらく進むと突き当たりまで辿り着き、そこへ置いてあるダンボールの中にぴょんと入って行った。


ここが自分の寝床なのかな?


私はその中を覗き込もうと近づいた。


「何やってんの?」