「お嬢様、康様がお迎えに来られておいでですよ」


「わかってるよ爺や…今いく」


特課部の先輩である康と胡桃が付き合い始めて約一年。


学校がない日は彼が車で迎えに来てくれてる事が多くなった。


いや、学校がある日も車で学校まで送ってくれる時が多々ある。


そのおかげで学校では、また違う意味で目立つことになってしまったけど気にしないでおく事にした。


「お待たせしました」


康の車の助手席に座ると胡桃は一息ついた。付き合ってから一年たち両方の親にも紹介し無事に公認とされているが


ーー『孫が早く見たいと』


という、お母さんとお義母さん


私、まだ学生!
退学にさせるつもりかっ!!


「胡桃、リーダーから預かったんだけど署に着くまでにこれを読んでおいてほしい」


「リーダーから?…なになに?」


これは、履歴書?プロファイル?


佑(たすく) 男 18才

護(まもる) 男 23歳


「まさか、新人ですか?」


「そのまさかだ。アルカナはまだ全部倒せていないし、人手がほしいと思っていた時に二人が適正がありと選ばれたんだよ」


「二人とも私より年上じゃないですか」


写真を見る限り、容姿端麗!!

と、思っていると隣から冷たい視線というかオーラが漂ってきた。


美形は目の保養!!

何が悪い!!


「リーダー曰く、胡桃を教育係にするらしい」


「は?教育係ですか?私の時にはいなかったじゃないですか!」


「今回は特例なんだよ。この二人は訳ありらしいんだ」


「訳ありですか…」


プロフィールを見る限りだとそうとは思えないけど会ってみないとわからないものだよね。


「今年こそはアルカナを全部倒したいですね」


「そうだな」


私は抗うよ、アルカナ。

抗って抗ってアナタ達を倒す。


それが特別課外刑事部の使命だから。



ーー『抗いなさい、胡桃』







fin