「もう、大丈夫なのかい?」


「はい、大丈夫です。ボス」


湊くんと話した後、私はとにかく泣きに泣きまくった。そしたらいつの間にか時間も経っていて


今は外は暗く、そろそろ眠る時間


康くんはずっと私の側にいてくれた

そのせいか今になって照れ始め頬が熱くなっているような気がした。


「胡桃くん、これを頭につけてくれ」


ボスから渡された物を見て胡桃は眉を寄せ目を疑った。


「これ、何だか脳波をキャッチするやつに似てますね」


「当たり前じゃないか。それを真似して作ったのだからなぁ」


パクったんだ…

研究者がそんなんでいいのかな?


「胡桃くん、研究者には人の技を盗む事も大事なんだよ?」


「でもボス、これは誰がどう見ても医療機器です」


だけど、こうでもしないと月のアルカナとの接触が上手くいかないのなら仕方ないのかもしれないけれど…


「っあ、拳銃を持ってベッドに寝てくれ」


「…はい」


研究室には胡桃やボス以外に特課部の仲間もいる。安心する気持ちと眠れるかどうかの不安がある。


「胡桃くん、リラックスするんだ」


「はい…」


リラックスと言われてもな…

でも、あれ…何だか眠たくなってきたかもしれない。


「君の夢はモニターに映される。皆に見られてしまうが構わないか?」


「皆さんを信頼してますから」


「そうか。では始める」


目を閉じると、じりじりと頭に何かが響きだした。でも、直ぐにフワッととした気分になり


目を開けると…そこは


研究室ではなく公園に私はいた。