ボスとの話が終わり、我々は研究室から本部へ戻り、いつも通りデスクワークをしていた。
でも、やはり今回の任務は今までとは違うため何だか空気がいつもと違う。
ピリピリしているというか…
何というか…
「アルカナって本当に何なんでしょうね」
不意に菜々子さんが口を開き疑問に思っていた事を言った。
「私達はアルカナを長い間追って対処してきましたけど、未だわからないことだらけです」
「それは皆同じだ。ボスも詳しくはまだわからないと言っている。だからあの場所で研究を続けているんだろう」
リーダーも長く携わっているこの仕事は今もなお謎だらけ
突如、この国に現れた謎の生命体
アルカナ。
タロットカードのアルカナに似ているから…って今思えばそっくりそのまんまなんだけど
何故、現れ
何の目的なのか不明。
「オレたちがアルカナに接触…つか退治してきたから月のアルカナは夢ん中に入り込んだんすかね?オレたちに怒ってたりして」
「秀星、それはあながち間違いじゃないかもね。夢の中は無力って考えがアルカナにもあるのかも」
「まるでアルカナは人間を理解してるみたいな言い方っすね」
「そうかもね」
理解…
そうか、理解してるからこそ夢の中で私達をジワジワ襲っているんだ。
この事にボスが気づかなかったら私達は夢の中の住人になっていたかもしれない。
ピピピッ ピピピッ ピピピッ
「ん?」
ふと、モニターが出てきてとある少年が映し出された。
《先ほどぶりだ。私だが、君達は彼を知っているかね?》
いきなりモニターからボスの声が聞こえてきてビックリした。
突然すぎる、この人。
「みんな、知ってるか?」
リーダーの声にみんな首を振った
ブレザーの制服
黒髪、整った顔立ちの眼鏡の少年。
年齢は胡桃と秀星に近い。
「ボス、彼がどうしたんですか?」


