特別課外刑事部 -五人の刑事-



「夢の中にアルカナか…倒せる方法は無いんですか?」


「あると言えばあるが、とても危険なんだよ伸明くん。脳を破壊し兼ねない」


脳を破壊??


「月のアルカナは君達に夢の中で幻想を見せている。わかりやすく言えば、胡桃くん…君の場合は幼馴染みだったね?その幼馴染みを映し出しているのがアルカナなんだよ」


「つまり、夢の中に出てくる大介は…ただ夢で見ている大介ではなくてアルカナって事ですか?」


「そのとおりだ」


「…っ……」


胡桃はみんなから背を向けた


大介は、アルカナに利用されてるってことだよね?胡桃を陥れるためにアルカナは大介の姿をして私の前に現れて…


「大丈夫?胡桃…」


「菜々子さん…」


悔しくて悔しくて仕方ない

何で大介に付きまとうの?

どうして大介が!!


「君達にとって大切な存在がアルカナなんだよ。それを倒すには精神をしっかりと保たなければならない」


「それ、私に言ってますか?」


「胡桃くんだけじゃない。伸明くん、菜々子くん、康くん、秀星くんも同じ事だ。私が考えたやり方は精神的にキツく脳にも影響する。睡眠を邪魔するのと同じだからね」


ボスは反対なんだろう

自分が考えたアルカナの倒し方

しかし、それは危険


そんな自殺行為的な事を部下にさせたくない気持ち…正直、仮面越しだと伝わらないけど


「月のアルカナは厄介だ。長く放っておけば夢の中から出られなくなるかもしれない…それは同化と変わらない」


「ならば急いだ方が…」


「伸明くん、私は上司として部下を殺したくはないのだよ。他に方法があるかもしれない」


「しかし、いつ思いつくかはわからないんですよね?」


「……………」


リーダー、まさか


「俺たちの中の誰かがやらなければならないんですよね」


「あぁ。まさか君達の夢の中にアルカナが入り込むとは予想してなかったが…たが本体は一体だ」


「それって…」


「伸明くんの夢の中に出てくるアルカナが分身の可能性があるのだよ。君達の中の誰かが本体のアルカナが夢へと入り込んでいる。それが誰なのか…」


「わからないですか?」


「いや、わかる。レム睡眠とノンレム睡眠のバランス具合からしてみて誰なのかは検討はつく」


「誰です?」


リーダーの問いにボスは仮面越しだけど、胡桃を見ているような気がした。