「あの、康くん…」


「なに?」


「康くんって煙草吸うんですね」


「あれ?スルー?怒ってないの?」


「複雑な気持ちにはなりましたけど康くんには助けられましたから」


「そっか。胡桃は優しいね…。あと煙草は久しぶりに吸うかな?」


「久しぶり?」


ということは、胡桃が特課部に入る前は吸っていたという事になる。そうだったら胡桃が知らなくて当然だ。


「半年前に止めてたんだけど…つい」


「止めてたって…何もったいない事してるんですか!」


肺が綺麗になっている途中に、また肺を黒く染めてしまうニコチンを…


「んー。ヤケ?」


「なんでヤケになるんですか…」


「胡桃を傷つけたから」


「勝手に私のせいにしないで下さい」


「優しいんだか棘があるだか、ほんとわからないよ胡桃」


あはは…って笑って誤魔化そうとしているけれど、胡桃を傷つけたからってあの発言のことしかない。


自傷行為はやめてほしい。


「僕は胡桃が気に入ってるんだ」


「あ、ありがとうございます」


「……………」


「……………」


「胡桃って、鈍い?」


「は!?」


いきなり何!?


「ねぇ、胡桃にとって僕は何?」


「何なんですか、いきなり」


「いいから言って」