「もうすぐ始まるからシャキッとしてよ、秀星くん」
「はいはい。つってもこの豪華絢爛の空間にアルカナが来たら空気読めねぇ馬鹿なアルカナってことだな」
「あはは…」
胡桃は秀星の言葉に否定できないと思い苦笑いをした。
すると、照明が消え司会席の方にはライトが当てられていた。
「皆様お待たせいたしました。この度司会を務めさせていただきます日本国テレビアナウンサーの吉田です。それでは、さっそくこのパーティーの主催者、ミステリー作家城田渚様。そして知ってる方もいらっしゃるかもしれませんが城田様のパートナーとなられる有名女優、瀬多ゆかり様に登場していただきましょう」
消えていた照明つき、今回の主役の2人が登場した。
会場内は拍手でもちきり
さすが有名女優。オーラがある。
「確か年の差婚ってワイドショーでやってた気がすんだけど」
「今時普通じゃないのかな?」
「少子高齢化社会ってやつか」
「それは関係ないでしょ」
胡桃と秀星が会話していると身に付けているブローチから振動を感じた。今回はパーティーのため少し目立つ腕時計型通信機は使えない代わりに女子はブローチ。男子はネクタイに通信機能がついている。
作ったのは、とある科学者。
《こちら康、みんな聞こえてる?》
会場内は主役二人が登場したため、かなりの賑わいだから通信機で会話している事はバレないはず。
《聞こえてる前提で話すけど、アルカナを見た人が数人いたんだ。幻覚だと思っていたらしく気にはしていなかったみたいだけど会場の近くで見たらしいんだ。塔を》


