「ご機嫌よう」


「ご機嫌よう」


廊下で知り合いと会う度に笑顔でかつ歩くのを一度止め挨拶をするのが胡桃が通うレムリア女学院。


たとえ遅刻しそうでも走らず優雅に立ち振舞う。将来”上”に立つためには必要な礼儀作法。


なーんて、くだらない!!と胡桃は思っていた。


来るもの拒まず去るのも追わず…なんてカッコ良く決めてるような言葉が掲げられてるけどハッキリ言ってダサい。


胡桃の母もも、レムリア女学院の卒業生のため当たり前かのように入学してしまった。


神様がいるならアルカナをなんとかしてほしい…だなんて言ったら即停学か退学になるかもしれない。


ちなみに特課部のスーツは胡桃専用の南京錠付きのロッカーにかけている。


母がこの女学院の卒業生って事と胡桃が特別課外刑事部という職に就いてるって事で少し有名だったりもする。


つまり高校生ながら職に就いてる。

胡桃は早くも一人抜け!!


ってわけにはならない。


そもそもレムリア女学院の生徒は卒業生とそれだけでお見合いの話が舞い込んでくる。礼儀作法を身に付けているから姑に目をつけられる事もないため在学中でも婚約している人がこの学校では多い


「席について下さい。授業が始まります」


クラス委員のこの言葉によって教室はシーンとなった。


授業は予鈴ピッタリに始まるためクラスメートは五分前には通夜のように静かになる。


元々ピーチクパーチク喋るような人がいるようなところじゃないから、だから胡桃にとっては憂鬱であった。