物語の始まりは、もう少しで夏に差し掛かる頃。今年高校へと進学し、特課部にも入社し一応活躍している最年少の胡桃。


胡桃自身は高校なんて辞めて特課部に朝から出勤して仕事に取り組み専念したい気持ちがあるのだが、特課部のリーダーがそれを許さなかった。


学業に励め。


高校で身に付けられるスキルがあるかもしれないからだ。だが、仕事が優先の時は任務に遂行させるために早退を大目に見てほしいと学校側に話を通してあるらしい。


それは嬉しい事だけれど、特課部は胡桃以外皆、社会人だった。


年齢が近い秀星は大学に進学していないから特課部には朝から出勤している。


一人だけ学生で一人だけ放課後から特課部に出勤するという気持ちは誰もわかってはくれないのが少し悲しいと思っている。