胡桃が大介と出かけてる中
特別課外刑事部の本部では…。
「ただいま戻りました」
「お疲れ、康」
「あれ?リーダーしかいないんだね」
室内にはモニターで、ここ最近に起きている被害者リストを見ているリーダーしかいなかった。
「菜々子は被害者のカウンセリングで秀星は仮眠室で寝てる。胡桃は出かけていない」
「みんな自由だね、ほんと」
「アルカナが現れなければ平和そのものだ。調査の方はどうだった?」
リーダーの言葉に、康は疲れたかのように溜め息をついた
「警察と協力して被害者の聞き取り調査は大変だ。ましてや警察は僕たちを快く思ってない人が多いから仕方ないんだけど」
警察学校を卒業したわけでもない素人の特課部の刑事として共に働くのは気がひけるのだろう。むしろ自分のプライドが許せないのかもしれない。
「それは慣れるしかない。未成年の秀星と胡桃には難な仕事だ」
「わかってる。だから僕に行かせたんだよね。それで報告だけど皆同じ供述だった」
「同じ?」
リーダーは眉を寄せた
供述が同じなら模倣犯はあり得ず連続暴行事件と判断した方が良いのかもしれない。
「被害者は皆【男らしき奴に襲われた】そうだ」
「進展はないのか?」
「暗闇の中での犯行は立証するのが難しい。そもそもリーダーはどうしてこの事件にこだわる?アルカナとどう関係ある…」
それは、きっと他のメンバーも気にしていることだろう。
「康は知っているよな。アルカナは人間に危害を加える。能力の場合によっては同化する」
「あぁ……!?…まさか犯人はアルカナに同化され動かされているって言いたいのか?」
「まだわからない。他に被害者リストを見れば怪我の痕からすると犯人は右利きだ。アルカナが関係しているかどうかはわからない。どんな姿…なのかもな」
「先月のアルカナは大変だったな。女性の周りにハートが沢山あって退治するのに時間がかかった」


