私には貴方だけ


だけど、お父様とお母様、お兄様の間に何か亀裂があるのは明確だ。




お兄様が家に帰って来ないのも、それが原因だろう。




でも、今は私が帰国して初めてお兄様が帰ってきてくれたのだ。




この時間を壊したくなかった。




「夕食の準備が出来ました。」




使用人がそれだけを伝え、部屋を出る。




「じゃあ行こうか。」




「はい」




お兄様と席に着き、夕食を取る。




アランは立場上、私と一緒に食事をする事はない。




扉の前に立って、待っているだけ。