高校デビュー




私はいつも通り一ノ瀬くんから離れて

席に座って本を開いた。


「莉々愛。」


遠くにいる一ノ瀬くんに呼ばれた。


「なに?」


……………会話しづらい。


私は近寄ることにした。



「健斗って誰?」


「健斗?

兄だけど…。」


「あぁ、そういうこと。」


「うん。」


私は元の席に戻ろうとした。


「こっち座れば。」


「え?」


「莉々愛すぐ時間忘れるし。」


「……………すみません。」


私は本を持って一ノ瀬くんの前に座った。