『その目、どしたの?』

『……分かんない』

『あたしね、その色に似てる宝石があるの知ってるよ』

『……へぇ』

『ママが持ってるの。あのね、ネックレスについてるんだけどね』

『……やめて』

『え?』

『やめて、もう、見ないで!』



小学校のクラスメイトは、皆、私の目が珍しいみたいだった。

悪く思われてないのは、なんとなく分かっている。



でも



『もう……やだ……』



目を見られるのが嫌だ。

目を見られるのが怖い。


みんなと私の間の、決定的な隔たり。

絶対に埋まらない、溝。


目の色を指摘される度に、誰かと目が合う度に、そこにある深淵を突きつけられているようで。



胸が痛い。

喉の奥が熱い。

青い目から、涙が零れた。