「じゃ、行こうか」

「だでぃー」

「ん?」



私の方に振り向いたダディーの足に軽く抱きつく。これは、抱っこしてほしい時のサイン。



「はいはい」



体が持ち上がり、そのまま、ドアの方へ進んでいく。



「……ぁ」



呆気なく、ドアの向こう側に、出ることができた。

予想通り、ドアの外は、廊下のような場所。


ただ、部屋から廊下にでただけなのに、不思議と解放感のようなものがある。

三年間も同じ部屋に閉じ籠ったきりだと、やっぱり、閉塞感があったんだろうな。
今こうして外へ出てみると、それが深く感じられる。


ダディーは片手に私、もう片方にお皿を持って、てくてく進んでいく。

お皿を持ってるってことは、台所にでも行くのかな。



「ヘケイト、まだいるか」

「はいっ!聖獣様!ヘケイトはここにおります!」