金色っぽい人、って表現は曖昧過ぎたかな。

性格に言うと、金髪で、金色の瞳で、金色の耳と尾がある。      

狼のような、耳と尾があるんだ。          



「らーてぃーあー」

「……あーあ」

「あ!ーーー!ラティアはーーーー!」



いつまでもうるさいので仕方なく差し出されたものを食べる。どろどろしてるけど、まずいとは感じない。

困ったことに、私は金色の狼っぽい人の名前を知らない。というか、自殺して以降、この人以外の誰かに会った記憶がない。


働かない頭でいろいろ考えて、なんとなく分かってきてることがひとつある。


私は――――前世の記憶を残したまま、生まれ変わって、赤ん坊になっている。




それも、異世界で。