Christmas Rose



ガタンガタンッ!


馬車はなんとか国境を通過することが出来た。


閑散とした街中を走る中、アリスは拳を何度も叩きつけた。


「・・・王室が他国の者の入国を拒むなど・・なんのつもりだ!」



「・・落ち着くんだアリス。とにかく今からルイ達と合流しよう。3日前に届いた手紙には"レッドパンプキン"という宿屋にいるようだ」


「・・その宿屋なら知っている。急ごう」


アリスとシドはルイの元へ急いだ。



カランカラン・・・

馬車は宿屋 レッドパンプキンへ到着した。

店はクローズの文字が書かれた看板がぶら下がっている。



中に入ると受付には誰もおらず、電気も消えていた。


「・・・こんなところにルイ様が・・?」


この店は昔街を視察しに来た時に、レオが教えてくれた。

レッドパンプキン。城下で一番古い宿屋で、赤いかぼちゃの絵が描かれた看板が特徴的でよく覚えている。

その時通りかかった時は、他国の旅人などで賑わっていたのに・・・


「・・ここだ。302号室。」


コンコン

手紙に書かれていた部屋をシドがノックした。



ガチャ・・


「・・・シド!アリス様!!」


部屋の扉が開くと、少しやつれた様子のルイが出てきた。