「俺が10歳。アリスが7歳の頃だ。」
アリスには全く覚えがなかった。
7歳…
ちょうど父からいずれこの国の王になることを告げられた頃だろうか。。
「…父について、他国に訪れた帰りにアステルへ寄ったんだ。その時に、城の庭で剣の練習をしている幼い少女を見かけたんだ。」
シドは立ち上がり、懐かしむように話し始めた。
「…あの頃、俺は勉強にも剣の練習にも興味を無くしていた。王になどなりたくないと思うようになっていた。そんな時、俺より年下のしかも女の子が王になる為に必死で努力している姿を見てすごく驚いたんだ。」
シドにも、そんな時期があったんだ。。
「アリスとの結婚を父上に申し出たのは俺だ。アリスの頑張る姿を見て、俺も王になることを決意できたんだ。」
「シドが??」
ずっと気にはなっていたんだ。
大国ギルティの次期国王が、小さなアステルの第二王女と結婚を決めたことを…
私たちはずっと昔にもう出逢っていたんだ。



