「…こんにちわ。。」
声をかけると二人の少女はビクッと肩を震わせた。
「こんにちわ。」
その内の一人が返事をした。
恐らく姉妹なのだろう。。
プラチナブロンドの髪が美しく、顔もよく似た姉妹だ。
二人は白い花を鉢に植え替えているところだった。
「…これ、ヘレボルスの花じゃない?」
「そうだよ。この花を他国の薬屋へ届けるんだ。」
そう言って再び座り込むとせっせと花に土をかけた。
「知っているのか?アリス。」
「ええ…別名クリスマスローズともいい、クリスマスにかけて咲く花よ。でも茎には毒があるのよ。。あまり触らない方が…」
すると、二人は二つの鉢を抱えて立ち上がった。
「…大丈夫。茎には触っていないし、毎年届けているの。」
「どこの国へ届けるんだ?」
シドが屈んで二人に聞いた。
「…アステルだよ。」
その言葉に、アリスの心臓はドクンと鳴った。



