Christmas Rose



「…あの、何かの間違いでは。。私がリオス国の…」


「…いいえ。そのペンダントが唯一の証拠です。かつてリオスは側近の者に一家を虐殺され国が滅びました。その後裏切った側近が国を治めるようになりましたがそれも長くは続かずに滅びてしまう。」

アリスもリオスの事は勉強していた。

リオス国は有名だった。

かつてその辺りの国の中で1番繁栄しており、商業も活発だった。

しかし、王家虐殺の事件をきっかけに一気に滅亡してしまったのだ。


リオスの最期は裏切った側近自らが城に火を放ち、リオスに関わるものは全て燃えてしまったと。


「…そのペンダントは王家のものに受け継がれるものです。」

マグは古い本を差し出した。

その一ページには写真が記載されている。

「…この方がリオス最期の国王です。」

男性は首から確かにメアリーが持つ物と同じペンダントをしている。


「…虐殺された王家で唯一生まれたばかりの末娘の遺体だけ発見されなかったようだ。諸説では、教会で洗礼を受けていて襲撃を免れたとか。」


すると、黙って聞いていたメアリーがペンダントをギュッと握りしめた。


「…父からいつも聞かされました。曾曾お祖母様は、教会のシスター達に育てれたんだ、と…」


やっぱり、メアリーはリオスの生き残りなんだ…!


「…と言うわけだ。メアリーは列記とした貴族。ルイとの交際にはなんの差し支えもなくなった。それと、今回のマルヴィナの行為はメアリーが貴族どうこう以前に、問題がある。そのため今日付けで城から出て行って貰ったよ。」


「えっ、」

シドの言葉にアリスは思わず声を出した。

「この事は、俺と俺の側近、それにマグとお前達以外は誰も知らない。何も騒動は起こらずに終わった。」

ルイは黙って話を聞いていたが、シドの言葉に深々と頭を下げた。


「…後はお前達二人がどうするかだ。アリス、行くぞ。」


「は、はいっ」


アリスはシドに着いて部屋を後にした。