コンコン
すると、マルヴィナの部屋の扉がノックされた。
侍女が出ると、シドと側近が立っていた。
「…えっ、シド様が。」
マルヴィナはガウンを羽織り、リビングへ向かった。
「…侍女のメアリーは解放した。」
「っ……!!」
シドの言葉に、マルヴィナの表情は一気に青ざめた。
その頃、メアリーが眠る部屋にルイがやって来た。
アリスも見守る中、ルイはぐっすり眠るメアリーの手を握った。
「…少し脱水症状を起こしていたみたいだけれど、もう心配はいらないそうです。」
そう言うと、ルイはアリスの方へ振り返った。
「申し訳ありませんでした……」
ルイは拳を握りしめ、深く頭を下げた。
アリスはルイと共に夜のテラスに出た。
星がたくさん見える、美しい夜。
「…メアリーと付き合っていました。」
ルイは静かに話し始めた。



