割れた窓ガラスから夜風が吹きこんだ。
突然の騒動に、ホールは騒然となっていた。
アリスもまだ心臓がドクドクいっていた。
「・・アリス様、お部屋へ」
「うん・・」
兵たちに守られながらアリスはホールを出た。
部屋に戻ってソファーに腰を下ろした。
「・・少し前から城下で町民に危害を加えていた者の仲間のようです。」
「町民に・・?!」
なんの目的で城へ・・・。
入浴を済ませると、アリスは窓を開けて外を眺めた。
あの男、辺りをキョロキョロして何か探してるみたいだった。。
「・・シドに伝えた方がいいかな・・」
アリスはこっそりと部屋を抜け出した。
シドは、たぶん執務室ね。
ドンっ!!
「っ?!」
廊下を歩いていたら、何処からか物音が聞こえた。
ドンっ!!
アリスは音のする方へ走った。
ドンっ!!
「・・この辺りから・・」
音が聞こえた辺りを探してみたが、何処からか分からなくなってしまった。
それに音も聞こえなくなってしまった。
侍女達がシーツやタオルをしまっておく小さな部屋の前で足を止めた。
ガチャ・・
アリスはドアに手をかけた。
しかし、鍵がかかっている。
「っ?」
反対側から人の話し声が聞こえてきた。
誰か来る・・!
アリスはドアノブから手を離し、その場を離れた。



